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教員氏名

柳 光子(YANAGI, Mitsuko)

専門分野

フランス文学

研究テーマ

フランス古典主義時代の文学

教員からのメッセージ

振り返ってみると私はずいぶん長い学生生活を送りました。複数の奨学金制度のおかげで20代に、そのおよそ半分に相当する期間をフランスで過ごすという幸運に恵まれたことは、今も私の大切な財産です。主な研究対象のラシーヌは、フランス古典主義時代の文学を代表する作家のひとりで、シェイクスピアより少し後の時代に劇作家として活躍した人物です。太陽王ルイ14世の宮廷で恋愛悲劇の名手とうたわれ、その作品は今日なおパリの国立劇場をはじめフランス内外で上演され、観客に感動を与え続けています。日本で上演されることは稀ですから、留学生時代にはよく劇場に足を運んだことが懐かしく思い出されます。
修士論文のテーマを決めた頃から、なぜラシーヌを研究しようと思ったのですか、とたびたび尋ねられるようになりました。ひとことで答えるのは容易ではありません。「絶対音感の詩人」と称されるにふさわしい流麗かつ簡潔な詩句の美しさに魅せられたため、「(あるべき人間の姿ではなく)あるがままの人間を描いた」と評される作品の迫力に感動して、などと理由は幾つも挙げられるのです。そうした返事をくり返しながら、実はフランスの17世紀という時代そのものに強い関心があったのだと気づきました。そしてその根底にあったのは、少女時代に夢中で読みふけったデュマの小説だったようです。『三銃士』をはじめとする一連の小説は、文学史的にはあまり高い評価を得ていませんが、読んで面白いという点では比類ない作品です。17世紀のフランスを舞台に実在の人物と架空の人物が入り乱れる波瀾万丈の物語が展開し、さながら歴史絵巻を見る感があり、一読すれば当時のフランス宮廷が身近なものになってきます。ラシーヌこそ登場しないものの、同時代の文人たちも顔を出しており、どうやら私の17世紀好きをいつの間にか決定的なものにしていたらしいと思いあたるわけです。
何かを学ぼうとするとき、そこに何らかの楽しみを見いだせるか否かは重大なことです。フランスは良くも悪くも個人主義の国。学習・研究の対象に自分なりの楽しみや目的を見つけることのできる人は、フランス文化向きの性格と言えるかもしれません。そういえば私のゼミに所属した皆さんの先輩たちはなかなかの個性派ぞろいで、各々が教室で与えられること以外に独自の目標を定めて努力してきました。卒業までに実用フランス語技能検定試験の2級に合格した人あり、卒業と同時にワーキングホリデーの制度を利用してフランスに飛び出していった強者あり。必ずしも進路と直結するわけではないにせよ、なにかしら大学で学んだことを結実させてもらえると、教師としても大変うれしく思います。皆さんの個性と自主性を重んじながら柔軟な指導をし、目標実現のための支援を行う、という方針を今後も続けていくことができれば幸いです。また、自分の専門に限らず、さまざまなフランス関連の情報を皆さんにお伝えする機会に恵まれるよう願っています。

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