学部長あいさつ

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学部長あいさつ                 人文系担当学部長 加藤 好文
 人文学科は、文字通り「人文学」(humanities)を学ぶところです。人文学とは、基本的には人間および人間が創り出した文化を研究対象とする学問領域を指します。従って、人文学を学ぶことは、自分の周囲に目を向けるだけでなく、自分自身を問うことにもなります。自他およびその所産としての文化の諸相を主体的に学ぶと同時に、自らの心を開いて研究対象の全体をつかむことが求められます。

 人文学科は、人間・文化・言語に関わる様々な専門の知を学ぶことを通じて、現代の多様かつ複雑な環境

に対して粘り強くしかも柔軟に処する実践力を涵養し、地域や国際社会に貢献できる有為な人材を育成することを目指しています。そのためには、「木を見て森をみず」という言葉があるように、細分化された専門的な知識の修得にのみこだわって全体を見失うことがあってはなりません。狭い専門の机上の知識は、しばしば現実から遊離した、単なる抽象的な理論にとどまりがちです。人文学は、そのような抽象的な理論とは、基本的には無縁です。人文学とはそもそも、人間の生き方と密接にかかわり、人間が生きる上での体験ないし実践と深く結びついているものだからです。人文学の本来の使命は、まずは全体像をとらえることにあり、したがって様々な地域に実際に出かけての体験や実践をも視野に入れた理論こそが人文学の求めるものにほかなりません。

 人文学科は、多彩な教員・学生の集う場であることが強みでもあります。この学びのフィールドで様々な人と顔を合わせ、互いに言葉と心を闘わせ、真の師や友人となる人を得ることも大切なことと言えます。出会い自体はもしかしたら、単なる偶然の産物かもしれません。ところが、出会いとは不思議なもので、その後の人生を決定するような意味合いを帯びることがあります。後から振り返って、実はそうあるべき必然であったことに気づく場合がそれです。人文学科で、すばらしい出会いを体験しつつ、人文学の学びを共に楽しもうではありませんか。